皆さんは、普段のお料理で「オリーブオイル」は使っていますか?
…パスタを作る時くらい?
確かに日本の家庭では、オリーブオイルの出番は少ないですよね。
しかしオリーブオイルの本場イタリアでは、サラダやサンドイッチなどありとあらゆる料理にオリーブオイルをかけて食べています。
今回はそんなイタリア人の生活に欠かせない「オリーブオイル」の健康効果と、簡単に作れるオリーブオイルを使ったサンドイッチレシピ、おすすめのオリーブオイルをご紹介します。
オリーブオイルの健康効果
オリーブオイルが健康に良いという話は聞いたことがあるけど、具体的に何に良いのか、どんなオリーブオイルを選べば良いのかわからないという方も多いかと思います。
そもそもオリーブオイルって何?というと疑問から解決していきましょう!
オリーブオイルとは
胡麻油や菜種油などの油は、植物の種から搾油されています。
一方オリーブオイルはオリーブの果実そのものを搾り、油分を分離させて作られたものです。
オリーブ栽培とオリーブオイル発祥の地は地中海沿岸で、その歴史は紀元前まで遡ります。
現在の主な生産国は、スペイン・イタリア・ギリシャなどです。
オリーブオイルの種類
日本で販売されているオリーブオイルは、「エクストラヴァージン・オリーブオイル」と「ピュア・オリーブオイル」の2種類があります。
これらのオリーブオイルの種類は、国際オリーブ協会(International Olive Council)が定めた品質等級規格に基づいて分類されています。
IOCの品質等級規格は、その製法や酸度(※)によって定められています。
(※)酸度とは酸化の度合いで、数値が低いほど鮮度を保ったままの状態で瓶詰めをした品質の高いオイルであることを示します。
果実から遠心分離などの機械的処理のみで得られた油をヴァージン・オリーブオイルと呼び、その中でもある一定の基準を満たしたものだけが「エクストラヴァージン・オリーブオイル」と呼ばれます。
最高品質とされる「エクストラヴァージン・オリーブオイル」は、化学溶剤による抽出や高熱処理を行わず圧力によって搾って濾過したもので、酸度が0.8%以下、風味・香りが完璧なものと定められています。
一方で品質の悪いヴァージン・オリーブオイルを精製(脱酸・脱臭・脱色等)したもので、酸度が0.3%以下のものを精製オリーブオイルといい、この精製オリーブオイルと中程度の品質のヴァージン・オリーブオイルをブレンドし、酸度1.0%以下にしたものを「ピュア・オリーブオイル」と呼びます。
(ピュア・オリーブオイルと呼ぶのは日本だけで、他国では単にオリーブオイルと呼びます。)
オリーブオイルの使い分け
日本で販売されている2種類のオリーブオイル、「エクストラヴァージン・オリーブオイル」と「ピュア・オリーブオイル」は、それぞれの特徴を活かした使い方をすると、より美味しくいただくことができます。
エクストラヴァージン・オリーブオイルが持つ、香り・辛み・苦みといった味わいは加熱によって弱まってしまいますので、それを最大限に生かしたければ加熱せずに使用しましょう。
ただ、加熱してももちろん使用できます。
エクストラヴァージン・オリーブオイルを加熱して使うと、ピュア・オリーブオイルにはないその香りや風味が、炒め物や揚げ物にアクセントを加えてくれます。
さらに香りを活かしたければ、加熱調理後に仕上げとして生のエクストラヴァージン・オリーブオイルを加えましょう。
ピュア・オリーブオイルは、香りや風味が少ないので、普通のサラダ油感覚で使用できます。
ドレッシングのベースとして生で使う場合は、ピュア・オリーブオイルを使用した方が、他の調味料を活かすことができます。
加熱料理では、特に卵料理(オムレツや卵焼きなど)では、調味料の香りや味の影響が強く出るので、クセがなくあっさりとしているピュア・オリーブオイルが適しています。
日本のオリーブオイル事情
オリーブオイルの種類は、国際オリーブ協会(IOC)の品質等級規格よって定められていると先ほどご説明しましたが、実は日本はこのIOCに加盟していません。
つまり日本では、IOCの品質等級規格に沿った製品表示でなくても法的には何ら問題がないため、世界基準では“偽物”と呼ばれるオリーブオイルが販売されています。
世界の多くの国々は、IOCの基準に従ってオリーブオイルを販売していますが、日本ではJAS(日本農林規格)の基準に従っています。
エクストラヴァージン・オリーブオイルの場合を見てみると、
IOCによる国際商取引基準:酸度0.8%以下
JAS(日本農林規格)の基準:酸度2.0%以下 となっています。
このように、国際的には「エクストラヴァージン・オリーブオイル」と認められていないものが、日本では「エクストラヴァージン・オリーブオイル」として販売されていることが分かりますね。
エクストラヴァージン・オリーブオイルを選ぶ際のポイント
健康効果や美容効果を期待するのであれば、鮮度が高く酸度の低い「エクストラヴァージン・オリーブオイル」がおすすめです。
では、国際基準で認められているような“本物”の「エクストラヴァージン・オリーブオイル」を選ぶためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
1.遮光性の高いボトルを選ぶ
オリーブオイルは光に弱く、蛍光灯の光でも酸化が進んでしまうと言われています。
グリーンもしくはブルーなどの濃い色の遮光ボトルに入ったものを選ぶようにしましょう。
2.酸度を確認する
IOCによる国際商取引基準では、酸度0.8%以下のものが「エクストラヴァージン・オリーブオイル」として認められています。
酸度の数値が低いほど鮮度が良いことを示しています。
3.産地を確認する
産地の情報を詳細に記載しているものの方が、高品質である可能性が高いです。
4.価格を確認する
極端に安価な商品は“偽物”の「エクストラヴァージン・オリーブオイル」である可能性が高いです。
高品質のものは希少であるため、価格は高めになります。
オリーブオイルの栄養素
オリーブオイルの主成分は「オレイン酸」です。
オレイン酸はオメガ9系の脂肪酸で、酸化しにくいのが特徴です。
体内でも作ることはできますが、それだけでは不足するため、食事による摂取が推奨されています。
そしてエクストラヴァージン・オリーブオイルには、オレイン酸の他にもポリフェノール類などの微量成分が含まれています。
この微量成分にも健康に良いとされる成分が入っています。
以下が主な微量成分です。
フェノール化合物(ポリフェノール類・フェノール類)
抗酸化作用があると言われているポリフェノールです。
オレオカンタールやオレウロペインといったオリーブ独自の成分も含まれており、この成分が多ければ多いほどオリーブオイルの苦み・辛みが強いと言われています。
トコフェロール(ビタミンE)
抗酸化作用があり、美容成分としてもよく利用されます。
クロロフィル
抗酸化作用のある成分で、オリーブオイル独特の緑色を構成する成分です。
植物ステロール類
コレステロールの吸収を阻害する作用があるとされ、特定保健用食品の有効成分としても利用されています。
オリーブオイルの効果
ではオリーブオイル、特にエクストラヴァージン・オリーブオイルに含まれる栄養素が、実際に私たちの身体にどのような効果をもたらしてくれるのか見ていきましょう。
抗酸化作用
がんや生活習慣病の大きな原因は、ストレスなどで増えた活性酸素が細胞にダメージを与えることだといわれています。
オリーブオイルの主成分である「オレイン酸」には抗酸化作用があり、この活性酸素の攻撃を抑制してくれます。
動脈硬化の予防
「オレイン酸」には、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があります。
動脈硬化・心筋梗塞の予防
オリーブオイルの成分が血液をサラサラにしてくれるので、動脈硬化や心筋梗塞の予防にもなります。
腸内環境の改善
腸の活動を活発にし、排便を促す効果もあります。
また硬い便も柔らかくしてくれるので、便秘の解消にもつながります。
美容効果
「オレイン酸」は中性脂肪の蓄積を抑える働きもあるため、太りにくい身体作りにも貢献してくれます。
また血行を促してくれるので、むくみ予防やデトックス効果もあると言われています。
またオリーブオイルに含まれる「ポリフェノール」には、美白効果もあるとされています。
風邪予防
菌の増殖を防ぐ効果があるので、風邪やインフルエンザの予防にも効果的だと言われています。
オリーブオイルのカロリー
オリーブオイルのカロリーは、1gあたり約9kcalです。
これはその他の油とほぼ同じなので、健康に良いからと言って摂取しすぎるのは禁物です。
1日の摂取量の目安は、大さじ2杯までです。
オリーブオイルの保存方法
オリーブオイルは光に弱いので、いくら遮光のボトルに入っていたとしても窓際などに置くのは絶対にNGです。
床下収納やキッチンのシンクの下の収納スペースなどの、冷暗所で保管するようにしましょう。
また、冷暗所と聞いて冷蔵庫に入れようとする方もいらっしゃるかと思いますが、それも絶対にNGです。
エクストラヴァージン・オリーブオイルの場合、最適な管理温度は約15℃〜25℃とされてます。
冷蔵庫では温度が低すぎて、オリーブオイルが固まってしまいます。
以上の保存方法を守ったとしても、オリーブオイルは開封後はなるべく早く使用し、1〜2ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
オリーブオイルを使ったサンドイッチレシピ
イタリアでは、オリーブオイルをパンにつけて食べたりしますよね。
オリーブオイルとパンの相性は抜群!
特にバゲットのようなハード系のパンによく合います。
ブルスケッタ
イタリアの軽食である「ブルスケッタ」は、オープンサンドの一種です。
「焼いて焦がしたもの」という意味を持つブルスケッタは、元々は古くなったパンを美味しくいただくために考えられた調理法でした。
表面をカリッと焼いたバゲットの上に、ガーリックやトマトソース、アンチョビやオリーブなど、お好みの具材をのせれば、お洒落なおもてなし料理にもなります。
もちろん、フレッシュなオリーブオイルもたっぷり使いましょう♪
サーモンとアボカドのブルスケッタ
材料は、お刺身用のサーモン・アボカド・玉ねぎの3つだけ。
サーモンとアボカドは粗みじん切り、玉ねぎは細かいみじん切りにします。
醤油・ワサビ・塩胡椒・レモン汁をそれぞれ適量入れ、よく味を馴染ませます。
最後にオリーブオイルを入れて、カリッと焼いたバゲットに乗せれば完成です!
パニーノ
「パニーノ」(複数形はパニーニ)は、こちらもイタリアの軽食で、イタリア語でサンドイッチを意味します。
イタリアの伝統的なパンであるチャバタやフォカッチャを使うと、手軽に本場の味に近づくことができます。
生ハムのパニーノ
チャバタまたはフォカッチャを半分にスライスします。
下側のパンに、生ハム・モッツァレラチーズ・パルミジャーノレッジャーノ・スライスしたトマト・ルッコラ・バジルをのせたら、エクストラヴァージン・オリーブオイルをたっぷりかけ、上側のパンを被せれば出来上がりです!
おすすめのオリーブオイル
サンドイッチにかけるだけでなく、そのまま飲んでも美味しいエクストラヴァージン・オリーブオイルを2つご紹介します。
サルバーニョ エキストラヴァージンオリーブオイル
「サルバーニョ エキストラヴァージンオリーブオイル 500ml」は、イタリアのヴェネト州産のオリーブオイルで、その酸度は驚きの0.25%以下‼︎
内側のキャップが液だれしにくい構造なので、味だけでなくその使いやすさもおすすめのポイントです。
アルドイノ エキストラヴァージンオリーブオイル フルクトゥス
「アルドイノ エキストラヴァージン オリーブオイル フルクトゥス 750ml」は、1870年に創立されたアルドイノ社のオリーブオイルです。
フルーティーな後味が特徴で、酸度は0.28%です。
イタリアンのシェフなら一度は使ったことがあるというほど、有名なオリーブオイルなので、オリーブオイル初心者の方でも安心して使えると思いますよ。
まとめ
今回は、オリーブオイルの健康効果と、簡単に作れるオリーブオイルを使ったサンドイッチレシピ、おすすめのオリーブオイルをご紹介しましたが、いかがでしたか?
いつものお料理にオリーブオイルをプラスするだけで健康になれるのなら、今日から始められますよね!
でも日本には“偽物”のオリーブオイルが多いので、皆さんご購入の際はお気をつけくださいね。
筆者もオリーブオイルを毎日の食生活に取り入れて、さらに美しく(⁉︎)なっちゃいますね♡
ではでは。
コメント