みんな大好きハンバーガー!その起源と歴史とは

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皆さんハンバーガーはお好きですか?

子供から大人までみんな大好きなハンバーガーは、アメリカの国民食とも言えますが、実はその起源をさかのぼるとアメリカとは全く違う国にたどり着くのです。

では、ハンバーガーの起源と歴史を探ってみましょう。

ハンバーガーとは

ハンバーガーは基本的に、バンズと呼ばれる丸いパンの間に、ひき肉を成型したパティ(ハンバーグ)と野菜などを挟んだ料理です。

ちなみにハンバーガーはサンドイッチの一種です。

アメリカでは、牛肉100%のパティを挟んだ料理だけが「ハンバーガー」と名乗ることを許されています。
これは法律できちんと定められていて、サンドする具材が牛肉100%のパティ以外のものだった場合は、チキン・サンドイッチ 、ステーキ・サンドイッチ 、フィッシュ・サンドイッチ といった具合に、「○○サンドイッチ」と呼ばれます。

この様なハンバーガーに関する法律まで作ってしまった、ハンバーガー好きなアメリカでは、年間400億食以上が消費されています。

近年では健康志向の高まりとともに、ハンバーガーの消費量は年々減少傾向にあるようですが、今でもアメリカの国民食と言える存在であることは間違い無いでしょう。

ハンバーガー に欠かせない“アレ”の起源

ハンバーガーになくてはならないものと言えば、「ハンバーグ」ですよね。

ハンバーグの起源を探ると、ドイツのハンブルクで流行した「タルタルステーキ」という肉料理にたどり着きます。

このタルタルステーキは、生の牛肉や馬肉を粗めのみじん切りにして、オリーブオイル・香辛料・薬味や卵を添えた料理です。

これは元々、モンゴル帝国のタタール人が考えついた料理だったと言われています。
食料が限られていたため、乗りつぶした馬をさばいて食料にしようとしましたが、軍馬として育てられた馬の肉は硬く、筋張っていて使い物になりませんでした。
そこでタタール人は、この硬い馬肉を細かく切り、袋に入れて鞍の下に敷いて移動することにしました。
上に乗った兵士の重みと、移動する馬の動きによる摩擦によって、硬い馬肉は柔らかく食べやすい状態になったとされています。

この肉の加工方法は、13世紀半ばにはモンゴル帝国全体に広まります。
そしてモンゴル帝国がロシアへ侵攻した際に、この食べ方がロシア人の目に留まり、モンゴル帝国のタタール人が食していたことから「タルタルステーキ」と呼ばれるようになりました。
そしてこの料理は、ロシアからさらにヨーロッパ各地へと広がっていきます。

様々な国と交流を持つ、ドイツの港町であるハンブルクにも、もちろんタルタルステーキは伝わりましたが、この時点ではまだ生の肉にオリーブオイル・香辛料・薬味や卵を添えた、今で言う韓国料理の「ユッケ」のような食べ物でした。

それではいつ頃からタルタルステーキを焼いて食べるようになったのでしょうか?

実はその詳細は明らかになっていません。

17世紀頃にある人物が、食べきれなかったタルタルステーキを焼いて食べてみたところ、外側がカリッとしていて内側はジューシーな肉汁で溢れていたことに驚き、知り合いに話したものが徐々に伝わっていったという説があるだけです。

そしてこの料理が「ハンバーグ」と呼ばれるようになるのは、まだ先のことなのです。

ハンバーグとハンバーガーの誕生

18〜19世紀頃、世界の港として知られるようになったドイツのハンブルクは、アメリカのニューヨークと航路を結びます。

当時、ハンブルクの労働者の間でタルタルステーキは人気の料理で、焼いたタルタルステーキには目玉焼きやパンが添えられて提供されていました。

これが、アメリカに移住したドイツ系移民によってアメリカに伝わり、「ハンブルク生まれ」だということで「Hamburg steak(ハンブルク風ステーキ)」と呼ばれていました。

ちなみに「ハンバーグ」は和製英語です。
英語では、ひき肉を成型して焼いた料理を「hamburger(ハンバーガー)」もしくは「hamburger steak(ハンバーガーステーキ)」と呼んでいます。

ハンバーグは19世紀頃にはレストランで提供されるなど、アメリカで市民権を得ていましたが、ではこれをパンで挟んだ料理である「ハンバーガー」は、アメリカでどのようにして誕生したのでしょうか?

実はハンバーガーの起源もはっきりしておらず、起源とされる説は数十にものぼります。

まあ、日本でも「〇〇発祥の店!」と掲げている店がいくつもあったりしますから、世界中で食べられているハンバーガーだったら、尚更ですよね。

では「ハンバーガー発祥」とされる説のうち、有名な4つをご紹介します。

セントルイス万国博覧会説
1904年にアメリカのセントルイスで開催されたセントルイス万国博覧会の会場内で、ハンバーガーステーキを挟んだサンドイッチが「ハンバーガー」という表記のもと販売されたのが最初だとする説です。
公式な記録があるため、ハンバーガー の起源とされることが多い説ではありますが、万国博覧会で販売されるくらいなので、それ以前にハンバーガーのような食べ物が存在していたのではないかという意見もあります。

エリー郡フェア説
1885年にニューヨークのハンブルグで開催されたエリー郡フェアで販売されたのが最初だとする説です。
フランクとチャールズは、豚肉のソーセージを挟んだサンドイッチを販売していましたが、途中でソーセージが足りなくなってしまい、代替品として牛挽肉をパンに挟んで販売したところ大人気となったそうです。
このフェアが開催された、ニューヨークのハンブルグにちなんで「ハンバーガー」という名前になったとされています。

アウタガミ郡フェア説
1885年にウィスコンシン州シーモアで開催されたアウタガミ郡フェアで販売されたのが最初だとする説です。
チャーリーは揚げた肉団子を販売していましたが、売れ行きが悪かったため、これを平状にしてパンに挟んで販売してみたところ、その食べやすさからお客さんたちに喜ばれたそうです。
現在でもウィスコンシン州シーモアでは、チャーリーをハンバーガーの創始者として大切にしており、ハンバーガーを持ったチャーリー像まであります。

ルイスのランチワゴン説
1900年にルイス・ラッセンが営むランチワゴンで販売したのが最初だとする説です。
ある日、ルイスはビジネスマンに「急いでいるから走りながらでも食べれるものが欲しい」と言われ、パンに牛肉のパティを挟んだものを提供しました。
現在でもハンバーガーレストランとして残っている「Louis’ Lunch」は、ハンバーガーを初めて売り出した店として有名です。

ハンバーガーの普及

ハンバーガ誕生には諸説ありましたが、20世紀初頭には、成型した挽肉をパンで挟んだハンバーガーの原型とも言えるものがアメリカ各地で食べられるようになっていました。

そしてハンバーガーチェーン店の誕生によって、ハンバーガーが急速に普及していきます。

1916年にはウォルター・アンダーソンによって、スライダーと呼ばれる2.5インチ四方のハンバーガー用のパンが作られました。
そして1920年、彼はビリー・イングラムと組んで世界初となるハンバーガーチェーン店「White Castle」を展開します。

小さな正方形のハンバーガーは、たったの5セントという安値で売り出されました。
また彼らは、価格だけでなくイメージ戦略にも力を入れました。
店名通りの白いお城のような洒落た店舗と、清潔で衛生的な店内と店員によって提供されるハンバーガーは、それまで衛生面で信用の低い屋台などで売られていたハンバーガーとは一線を画していました。

彼らはハンバーガー専用のパンを発明しただけでなく、工場でそれぞれの材料をライン生産しました。
製造したパティは冷凍された状態で各店舗へ届けられ、教育された店員の手によって同じように焼き上げられました。
ハンバーガー製造のプロセスを作り上げ、どこの店でも同じ品質・同じ味のものが食べられるというチェーン店の特徴を完成させたホワイトキャッスルのハンバーガーは大人気となります。

そしてその後は、様々なハンバーガーチェーン店が誕生していきます。

ハンバーガーチェーン店の台頭

ホワイトキャッスルの人気を受け、ハンバーガーチェーン店が次々に誕生していきます。

1940年には、世界一有名なハンバーガーチェーン店とも言える「マクドナルド」の前身となるレストラン「McDonald’s Bar-B-Que」がマクドナルド兄弟の手によって作られました。
こちらのレストランでは、元々バーベキューなどを提供していましたが、その利益のほとんどがハンバーガーの売り上げだったことから、彼らはメニューを数種類に絞ります。
さらにホワイトキャッスルと同様の生産システムを取り入れたり、セルフサービスを導入するなど合理的な経営に乗り出します。

そして1948年に、車で乗り付けてハンバーガーを購入できるドライブインをオープンさせたことにより話題になりました。

1953年にマクドナルドはフランチャイズを開始し、アメリカ国内のみならず、世界中に店舗が広がっていきました。
実はフランチャイズの仕掛け人はマクドナルド兄弟ではなく、レイ・クロックという実業家でした。
彼は後にマクドナルド兄弟から商権を270万ドルで買収し、さらに店舗数を増やしていきました。

現在では世界規模で店舗を展開しており、その店舗数は世界で3万店を超えるそうです。

日本のハンバーガーの歴史

日本でハンバーガーが普及したのは、第二次世界大戦後だと言われています。

長崎県の佐世保に駐留していた米軍を通じて、日本にハンバーガーが持ち込まれました。
こちらの米軍基地周辺では、戦後すぐからハンバーガーを売り出す店があったそうです。

また、1948年に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接収された三信ビルディングにオープンした「ニューワールドサービス」で提供されたほか、1950年には東京の六本木に「ザ・ハンバーガー・イン」がオープンしました。

現在でも営業している日本最古のハンバーガーショップは、1950年に創業した宮城県仙台市青葉区の「ほそやのサンド」です。
創業者の細谷正志さんは当時、山形県の米進駐軍で働いており、当時まだ珍しかったハンバーガーに出会って感銘を受けたことが、お店を始めるきっかけでした。

1963年には沖縄県に日本初となるファストフード店「A&W」がオープンしました。(ただし当時、沖縄はアメリカ統治下でした)。

その後、国内企業初のハンバーガーチェーン店「ドムドムバーガー」が1970年に東京都の町田にオープンします。

翌年の1971年には、マクドナルドの日本1号店が銀座にオープンしました。
さらに1972年には、モスバーガーとロッテリアの1号店がそれぞれオープンするなど、1970年代初頭にハンバーガーチェーン店が次々と誕生しました。

その後は皆さんもご存知の通りです。
ハンバーガーは日本人好みにアレンジされたりしながら、日本人の食生活の一部になっていきました。

まとめ

今回は、みんなが大好きなハンバーガーの起源と歴史を探ってみましたが、いかがでしたか?

筆者は時々、無性にハンバーガーを食べたくなる時がありますが、今はそれがMAXの状態です(笑)。

皆さんもハンバーガーが食べたくなってしまったのではないでしょうか?

ぜひ今日のランチは、お気に入りのバーガーショップへお出かけしてみてくださいね♡

ではでは。

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